今回のニュースのポイント
神戸製鋼所の2026年3月期決算は、売上高が前期比4.6%減の2兆4,365億円、最終利益は22.0%減の937億円となりました。建設需要の停滞による鉄鋼の苦戦や電力事業の一過性利益の剥落が減益を招きましたが、半導体関連の装置需要を捉えた機械事業は大幅増益を達成。自己資本比率は44.0%へ向上し、財務体質の改善も進んでいます。
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日本の鉄鋼大手、神戸製鋼所が「鉄の会社」から素材・機械・電力を併せ持つ複合型企業への構造転換を鮮明にしています。同社が11日に発表した2026年3月期連結決算は、売上高2兆4,365億8,100万円(前期比4.6%減)、営業利益1,298億8,300万円(同18.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益937億1,700万円(同22.0%減)の減収減益となりました。
減益の主因は、主力である鉄鋼アルミ事業の苦境です。国内では人手不足や建設費上昇を背景に一部建設需要が伸び悩み、鋼材販売量が前期を下回ったほか、原料価格変動に伴う在庫評価の悪化や固定費増加が利益を圧迫しました。この結果、鉄鋼事業の利益は23億円と、前期の237億円から約200億円減少し、大幅な減益となりました。また、収益柱である電力事業も、燃料費調整の時期ずれや売電価格の一過性増益効果が縮小したことで、経常利益は347億円(前期比175億円減)となりました。電力への利益依存度が低下する一方、グループの収益構成は機械や素形材など他事業へ分散しつつあります。
こうした中で収益を下支えしているのが、非鉄鋼分野の躍進です。特に機械事業は、半導体や先端材料の製造に不可欠な等方圧加圧装置(IP装置)の需要が好調で、経常利益は467億円と前期比141億円の大幅増益を記録しました。財務面でも有利子負債残高を7,699億円まで圧縮し、自己資本比率は44.0%(前期末40.2%)まで改善しています。
2027年3月期は、半導体向け素形材やIT・半導体向けアルミ板、航空機向け需要の回復などを織り込み、親会社株主に帰属する当期純利益1,000億円への利益回復を目指す計画です。中東情勢による100億円の利益影響リスクを織り込みつつも、特定の事業に依存しない複合型メーカーとしての収益基盤確立を急いでいます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













