政府は福島、宮城、岩手に続いて、2日、栃木県で飼養されている全ての牛についても、と畜場への出荷を制限する措置をとった。12ヶ月未満の牛を除き、県外への移動も制限した。枝野幸男官房長官が2日夕の記者会見で発表した。被害拡大が止まらず、畜産農家はもちろん、食肉業界に深刻な影響が広がっている。
枝野官房長官は出荷制限解除の条件として、栃木県から適切な飼養管理の徹底や安全管理体制を前提に出荷制限の一部解除の申請があった場合、これを認めるとしている。具体的には、飼養管理に問題のあった農家については全頭検査し、暫定規制値を下回ったもののみ出荷を認める。また、これ以外の農家においては農家ごとに初回出荷牛のうち、1頭以上を検査し、暫定規制値を下回った農家については牛の出荷・と畜を認める。その後も定期検査の対象とするとした。
政府は食の安心・安全確保のため、福島全域の牛について7月19日から、宮城全域の牛について7月28日から、岩手全域の牛については8月1日から出荷制限措置を講じており、畜産農家への被害拡大が深刻化している。
(編集担当:福角忠夫)