農林水産省は暫定許容値を超える放射性セシウムを含む稲わらの利用実態について、全国47都道府県を対象に全国調査をすすめており、その中間報告をとりまとめた。
47都道府県では許容値超えの稲わらを与えた農家は肥育牛で170戸となり、このうち40戸は出荷を自粛していたが、130戸で出荷され、その頭数は2965頭に及んだ。また、放射性物質についての検査では393頭について検査され、岩手、宮城、福島、山形の4県の31頭が暫定規制値を超えた。農林水産省では、安全・安心の確保へ、引き続き、稲わらの流通・利用実態の確認作業をすすめるとしている。
中間報告によると、東北・関東11都県では調査対象2万3424戸の農家のうち、調査困難な農家を除いた2万2800戸を対象に調査が行われた。
その結果、暫定許容値を超えた稲わらを与えていた農家は宮城の68戸を筆頭に、福島の25戸、岩手の13戸、茨城の7戸、栃木・群馬・埼玉がそれぞれ2戸、静岡1戸の合わせて8県120戸あったことが分かった。
このうち、96農家で2484頭が出荷され、246頭についての牛肉検査の結果、30頭が規制値を超えた。
一方、これら11都県を除く36道府県でも、新潟(17頭)山形(15頭)、岐阜(8頭)、秋田(6頭)、三重・島根・青森・北海道(各1頭)など8県50戸の農家が暫定許容値を超えた稲わらを与えていたことが分かり、34農家から481頭が出荷された。また、147頭の牛肉検査で1頭から規制値超えが検出されていた。
(編集担当:福角忠夫)