仮払い補償 避難5万4000世帯で506億円

2011年07月25日 11:00

 海江田万里原子力被害担当大臣は22日の参議院予算委員会で東京電力福島第一原発事故の被害者への損害賠償仮払い状況について、7月21日現在で、避難を余儀なくされている約5万4000世帯に対し約506億円、農林漁業関係で、5県の農業団体、2県の漁業団体に合わせて約42億円、中小企業者への営業被害関係で約4600社に対し約56億円が支払われた、と答弁した。

 海江田大臣は避難を余儀なくされている人たちには、今後、世帯でなく、1人あたり10万円から30万円を支払う予定であることも示した。

 渡辺孝男議員(公明党)の質問に答えたもの。渡辺議員は「国が責任を持って、一刻も早く仮払いをしっかりやって頂きたい」と迅速な対応を要請した。

 また、高木義明文部科学大臣は風評被害による観光業への影響について、福島県に営業拠点を置いているところについては補償の対象にしている。それ以外のところについては専門委員による詳細な調査を進めているとして、7月いっぱいをメドに中間報告をとりまとめる意向を示した。また、ホテルの売上は福島県を中心に低調であること、観光施設の売上はサンプル調査で福島、茨城、栃木では前年比5割減になるなど、厳しい経営環境に置かれていることなどを報告した。
(編集担当:福角忠夫)