上着なしに日傘使用なら熱ストレスは2割減

2011年07月22日 11:00

 環境省はヒートアイランド現象に対する適応策を効果試算した結果、「上着を着用して歩行した場合に比べると、クールビズ(上着なし)では約11%、さらにクールビズで日傘を併用すれば約20%熱ストレスを軽減できることが判明した」と発表した。

 調査方法として、環境省では「都市内の街路約1kmを信号待ちも含めて日中に約20分歩行するケースについて、街路樹等の街路の改良、クールビズ等の歩行者適応行動等の様々な適応策を取った場合に歩行者の熱ストレス低減にどの程度効果があるか、累積分泌発汗量等の適切な評価指標を設定して試算した」。

 その結果「7.5mの間隔により街路樹が連続した緑陰を形成するケースでは全く街路樹のない歩道に比べ、熱ストレスはおよそ17%低減した。街路樹の間隔を10mにした場合、緑陰は連続しなくなるが、熱ストレスは街路樹のない場合に比べ約9%削減できた」としている。

 さらに「10m間隔で街路樹を形成するケースで、さらに信号待ちを緑陰で行うことにより、対策なしケースから熱ストレスは約23%低減することができ、交差点での日陰の形成が重要であることが判明した」という。

 こうしたことから、環境省では「街路樹、保水性舗装等の街路の改良を伴う適応策を進めることが重要であることを示す一方で、クールビズの実施や日傘の使用、緑陰での信号待ち、積極的に休憩を取るなど、人のライフスタイルや暑熱回避行動に係る適応策も重要であることが示唆された」としている。また、「クールシェルターの提供、信号待ちのための緑陰・日除け等の整備、男性用日傘の商品開発・普及等も並行して進める必要がある」としている。
(編集担当:福角忠夫)