湾岸の総合的津波対策のあり方で中間報告

2011年07月08日 11:00

 国土交通省の交通政策審議会港湾分科会防災部会が湾岸においての総合的な津波対策のあり方について、中間報告をまとめた。施設の計画・設計における防護目標の確立では「1000年に1回といわれるような今回のような津波に対して施設背後を完全に防護するのは経済的に困難」とし、「実現可能な防護目標を確立する必要がある」とした。

 報告は対象津波の設定と背後地の防護のあり方、背後地への浸水を前提にした避難対策の充実、施設計画と設計においての防護目標の確立、広域的な津波災害への対応、港湾の応急対応の重要性と課題など、東日本大震災での大津波を踏まえて、課題の明確化とその対応策、防災・減災目標の明確化、産業活動・まちづくりと連携した防護のあり方、浸水想定区域においての避難施設の確保など多岐にわたって「現時点でとりうる対応策を整理した」としている。

 また、中間報告では広域的津波災害について「東海・東南海・南海地震などについての中央防災会議専門調査会などでの審議を見守る必要がある」とし、湾岸の応急対応の重要性と課題については「産業・物流機能の配置・機能分担を全国的・広域的観点から分析する必要がある」として、答申までに整理するとしている。
(編集担当:福角忠夫)