国土交通省は空港が津波被害を受けた場合の早期復旧対策を検討するため、検討委員会を立ち上げ、初会合を12日に開く。委員会では5月中に基本方針を取りまとめたい方針。その後、各空港ごとに検討会を開き、被害を受けた場合に早期再開できるよう必要な対応を図っていく。
検討委員会は国交省の部課長級と轟朝幸日大教授、羽原敬二関大教授ら専門家ら7人で構成。漂流物の対策や電源の早期の復旧策、セキュリティエリアの早期確保対策、アクセス確保、排水対策など空港再開に必要な対策を練っていく。
国土交通省航空局が平成23年に内閣府が設置した南海トラフの巨大地震モデル検討会で検討された最大クラスの地震・津波の結果から空港の津波浸水想定高を設定した結果、高知空港では空港の半分以上が浸水することが分かった。ターミナルビル前面の浸水による深さは最大2.5メートルになるという。宮崎空港も半分程度が浸水し、深さは空港内で最大5メートルになるとしている。
同局によると検討会の結果より、さらに津波の高さを1メートル加算した場合には中部国際空港でも大部分が浸水し、最大の深さは3メートル程度になる。関空も1期島全域が浸水し、ターミナルビル周辺の浸水の深さは最大3メートル程度になる。
高知空港では空港の大部分が浸水し、ターミナルビルの前面では最大6メートルの深さになる。大分空港も空港の半分程度が浸水すると見ている。宮崎空港は大部分が浸水し、深さは最大8メートル程度と想定された。航空局では「護岸がない状態での想定ケース」で算定したとしており、護岸が崩壊した場合には今回の被害が想定されるとみられる。(編集担当:森高龍二)