NECは7日、モルジブ共和国の最大手通信事業者であるディラーグ社より、同国の光海底ケーブルシステムプロジェクトについて、設備調達から敷設工事までを請け負うフルターンキーとして一括受注したことを発表した。
今回受注したのは、同国の首都・マーレを拠点に全部で8つの島を結ぶ総延長約1,017キロメートルの光海底ケーブルシステムで、初期伝送容量は毎秒40ギガビットとなる。同国は約1,200の島からなる島国で、国内の通信はマイクロ波または衛星通信で行われているが、慢性的に伝送容量不足であり、それを解消するために現在、光海底ケーブル通信への移行が段階的に行われている。NECは2007年1月にモルジブとスリランカを結ぶ同国初となる国際光海底ケーブルシステムと、モルジブ国内5島を結ぶ国内光海底ケーブルシステムを完成させており、今回受注したシステムは同システムと接続される予定となっている。
NECは今年1月にも、日本、シンガポール、香港、フィリピン、マレーシアを結ぶ、総延長約7,200キロメートルの大容量光海底ケーブルプロジェクト「Asia Submarine‐cable Express(アジア・サブマリンケーブル・エキスプレス)」を富士通と共同で受注するなど、世界の海底ケーブル市場で業界トップクラスの実績を有しており、今回の受注も、過去30年以上にわたって培ってきた同社のシステム供給の実績や優れた技術力、プロジェクト遂行能力が高く評価された格好だ。