近年、オーストラリアを中心としたオセアニア地域では石油ガス開発が積極的に行われ、関連する設備投資が大きく見込まれている。
そのような中、新日鉄エンジニアリングは、海外における石油ガス関連プロジェクト市場において、拡大するオセアニア地域への参入を加速させ、同社の確固たる基盤を当地に築くことを目的に、新日鉄エンジニアリング・オーストラリアを設立し、活動を開始する。
新日鉄エンジニアリング・オーストラリアは、内外のエネルギー会社やエンジニアリング会社が多く集まる西オーストラリア州パースに本社を置き、同社海洋事業部から社員1名を駐在。今後は、新日鉄エンジニアリング・オーストラリアを現地の営業拠点として、これまで40年以上にわたる東南アジアでの実績と経験をもとに、現在保有している施工船(くろしお、くろしお2)、設計・調達・加工拠点(同社シンガポール事務所、TNS/タイ、NS-BATAM/インドネシア、NISCONI/インドネシア他)と一体となって、プロジェクトの受注を目指していくという。
また、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、1月よりJX日鉱日石開発が子会社を通じて西オーストラリア海上WA-412-P鉱区で実施する石油等の探鉱事業について、75%出資案件として採択している。
現在、同社の子会社であるジャパンエナジー・イーアンドピー・オーストラリア・ピーティーワイ・エルティーディは、2008年6月、北西大陸棚沖合のWA-412-P鉱区を取得し、オペレーターとして探鉱作業を実施中。JOGMECは、この子会社に対して出資を行う予定だ。
本鉱区は、周辺に複数の油ガス田が存在する有望なエリアにあり、相当規模の埋蔵量の発見を目指している。同社は、北西大陸棚エリアを中心に原油の安定的な生産を継続。さらなる探鉱活動により事業推進を図ることとしており、同プロジェクト成功の際には、同社にとって更なる事業拡大の好機となることから、本邦企業の石油・ガス探鉱開発事業の発展に寄与するとともに、原油輸入の9割近くを中東地域に依存している我が国のエネルギーセキュリティ上の大きな効果が得られることが期待されている。