枝野幸男官房長官は前資源エネルギー庁長官が東京電力顧問として就職していることについて、国会で取り上げられたことを受け、2日、経済産業省からあっ旋はなかったとの報告を受けており、政府として問題はないとの判断を示すとともに、「国家公務員の退職後の監視機能を強化するための法案を今国会に提出する」とした。
退職後の監視強化のための法案提出は国会答弁で菅直人総理がその意向を示していた。
枝野官房長官は経済産業省が東京電力に経緯の報告を求め、経営全般についてのアドバイスを受けるため顧問に就任してもらったことなどの報告があったことを明らかにし、「昨年6月に閣議決定した退職管理基本方針に沿ったもので、違反にあたらない」とした。
退職管理基本方針では「国家公務員の再就職に関し、天下りのあっせんの根絶を図るため、再就職あっせんの禁止等の規制遵守、再就職に係る情報公開推進など任命権者がとるべき措置」などがもられており、「任命権者は職員の退職管理に際し、国民の疑念を招くことのないよう、国家公務員法に規定する再就職あっせんの禁止等の再就職等規制を厳格に遵守する。また、任命権者は職員に対し再就職あっせんの禁止、利害関係企業等に対する求職活動の禁止などの再就職等規制について指導・周知の徹底を図る」などを示している。
一方で「中高年期の職員が公務部門で培ってきた専門的な知識・経験を民間等の他分野で活用するとともに、他分野での勤務を経験することにより公務員のコスト意識・現場感覚を高める観点から、任命権者が、官民の人事交流等の拡充を図るためにとるべき措置」を盛り込んでいることから、江田憲司衆議院議員(みんなの党幹事長)らは「退職せずに現役で出向という形をとれば天下り規制はすり抜けられ、天下り天国復活だ」と、この閣議決定そのものを批判しており、天下り根絶の実効性を疑問視している。
(編集担当:福角やすえ)