日本の食品各社、中国を拠点に新事業を展開

2011年01月20日 11:00

 現在、中華人民共和国(以下中国)はアメリカ合衆国と並び日本の主要な農産物の調達国となっている。そこでニチレイフーズ(ニチレイグループ <2871>)は、各種野菜品中心の製造・輸出入を営む有力企業である商和興業股?有限公司(以下商和興業)と合弁で、中華人民共和国山東省泰安市に農産加工品の生産および販売を行う会社を設立。協同で中華人民共和国において農産物の栽培から携わり生産ノウハウを蓄積し、良質な農産加工品の安定調達と付加価値の高い商品の開発を行うことで更なる事業拡大を目指す。

 今回、新会社を設立した泰安市は、大規模農場が存在し、有機野菜の生産基地でもある農薬管理に対する意識レベルが高く、「食の安全・安定」を実現するため良好な立地と判断したという。今後、同合弁会社は日本向け販売のみならず、中華人民共和国内や第三国に対する販売を視野に入れて事業展開していく構えだ。

 また、豊田通商<8015>は香港の中国の事業投資会社であるA-1 China Investment Company Limited(以下:A-1社)および華南外食産業にかかわりの深い香港のBaker Limited.(以下ベーカー社)と共同で豊王楽食品有限公司(以下:豊王楽)を設立。これにより豊田通商は、中国華南地区においてベーカリーの小売事業に本格的に参入し、広東省における日系企業初の高級ベーカリーチェーン「Bakerz180」を展開するという。

 中国でのベーカリー業界は二桁の伸びを見せており、特に沿岸部での伸びは著しく、アジア系の高級ベーカリーショップが各地で競っているのが現状だ。豊田通商は、このような環境の中、”食の都”である香港に隣接し食への関心が深く、また日本食品への評価が高い華南地区に注目。同地域への本格参入を視野にアンテナショップを出店してきたという。その結果、昨年11月に深?市にてアンテナショップも含めると第3号店となる「Bakerz180」中信広場店を出店。正式に「Bakerz180」ブランドをチェーン展開している。

 日本の食品事業において中国の存在大きい。今後も様々な方面から中国を基盤とした食品市場の発展が期待される。