村田製作所、3D映像にも対応可能な第2世代のWiHDモジュールを開発

2011年01月11日 11:00

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村田製作所が開発した第2世代 WiHDモジュール。第1世代よりもより小型化され、3D映像にも対応可能となっている。

 株式会社村田製作所 <6981>はこの度、WiHD規格に準拠した、HD A/Vコンテンツの無線ネットワークを構成でき、3D映像にも対応可能な第2世代のWiHDモジュール「WHDM-T005/R006」を開発したと発表した。

 いよいよ今年の7月に控えた完全地デジ化に向けて、一般家庭でもハイクオリティなHD A/V(高精細音響・映像)機器が急速に普及している。Blu-rayプレイヤーやプラズマテレビ、液晶テレビなどをはじめ、最近では3D映像コンテンツ等も大きな注目を集めている。

 こういったハイクオリティなA/V機器を楽しもうとするときに課題となるのが、それらの機器類をつなぐ配線の問題。旧来の機器からの共通の課題ではあるものの、どうせならスッキリとスマートに接続したいもの。とくに家庭のリビング環境で使用するなら尚更だ。また、今後は複数のメディア機器で一つのプレイヤー等を共有するという状況も多くなってくるだろう。例えば、一つのBlu-rayプレイヤーやハードディスク等のデータをリビングのテレビと寝室のテレビで共有して使いたいという場面などが考えられる。こういう時、いちいち配線をつなぎ換えたりするのは面倒だ。

 そこで注目されているのが、室内のHD A/V機器を無線ネットワーク接続することができる「WirelessHD」(以下・WiHD)と呼ばれる技術。この技術を用いると、Blu-rayディスクやデジタル放送等で扱われるような高精細な映像でも、非圧縮のままストリーミングして高品質のまま再生できる。また、映像だけでなく、音声や制御信号などのデータも伝送できるのだ。

 今回、村田製作所が開発した第2世代のWiHDモジュール「WHDM-T005/R006」は、第1世代のものよりも、より小型で、かつ熱拡散や電磁波の干渉を考慮した設計がなされている。また、第1世代のモジュールでは対応していなかった3D映像コンテンツのデータやバックチャンネルオーディオ信号伝送も可能となっている。さらにムラタでは、ノートPCやTV等の機器内配線の利便性を考慮して、DMC規格に準拠したスプリットタイプモジュールの開発も行っている。

 WiHDを策定した「WirelessHDコンソーシアム」は、パナソニック <6752> 、NEC <6701> 、ソニー <6758> 、東芝 <6502> 、Intel、LG電子、サムスン電子、SiBEAMによって結成されており、すでに各社の主力製品にもWiHD対応のものが続々とラインナップされている。

 このWiHDモジュールは、米国・ラスベガスで開催される、世界最大の国際家電ショー「2011 INTERNATIONAL Consumer Electronics SHOW(CES)」に株式会社村田製作所の米国子会社であるMurata Electronics North America,Inc.が出展しているムラタブース内でも紹介され、すでに関連企業などからも大きな注目と期待が寄せられているようだ。

 一般家庭でも、高精細な映像と音楽が、よりスマートに、より自由に楽しめる日がもうそこまで来ている。