省エネ・エコ化が進む次世代自動販売機

2010年12月20日 11:00

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各メーカー、省エネ・エコを意識した次世代タイプの自動販売機を開発、積極的に展開している。

 一般社団法人 日本自動販売機工業会調べによると、2009年末の自販機普及台数は3,961,600台。自動販売機を販売手段としている各社は、省エネ・エコといった次世代に向けた様々なタイプの製品を開発、積極的に設置しているようだ。

 売上の90%を自動販売機が占めるダイドードリンコは、環境負荷軽減に積極的に取り組み、加温庫内と冷却庫内をしきる断熱効果の高い真空断熱材の採用や、商品の売れ行き状況に応じて効率よく冷却・加温を行う学習省エネ機能を採用した「省エネ自動販売機」をメーカーとともに開発。さらにオゾン層を破壊しないノンフロン冷房や、より省エネ効率の高いヒートポンプ機能、蛍光灯より長寿命の白色LED照明搭載の「環境対応型自販機」の採用を推進。地球温暖化防止をはじめ、消費電力抑制にも努めている。

 その結果、同社の2009年度調べによると、自動販売機1台の年間消費電力が、1998年は3,720kwhあったものが、2009年には1,326kwhとなり、約64.4%削減されたという結果が出ている。また、古くなった自動販売機からも金属を再資源化するなど、省資源化にも積極的だ。同社は今後、さらなる省エネ自動販売機の導入をめざす構えだ。

 日本コカコーラーは次世代型自動販売機「ecoる/E40(エコるイーフォーティー)」を展開している。これにより効率的な加温・冷却を可能にするヒートポンプシステムの搭載や機密性や断熱性の高い真空断熱材による大幅な消費電力の削減。長期にわたり交換不要なLED照明という技術を組み合わせることで、同社従来機に比べ約40%の省エネルギー化を実現した。またあわせてノンフロンガスの採用、LED照明の利用によって蛍光灯に含まれていた有害物質(水銀等)も削減。2020年までにすべての設置自動販売機のノンフロン化を目指すという。

 サッポロ飲料は2006年、飲料業界で初めてヒートポンプ方式を取り入れた自動販売機を採用。キリンビバレッジは2010年2月に、東急グループのケーブルテレビ会社であるイッツ・コミュニケーションズと地域環境保全活動の一環として「環境貢献型ECO 自動販売機」の設置を開始している。伊藤園もヒートポンプ自動販売機を導入し、2008年型は同機種である2004年型と比較して、自動販売機1台につき年間で約39%もの電力使用量の削減を実現。2010年度には、ヒートポンプを使った自動販売機は約30,000台以上になる予定だという。

 便利さの半面、消費電力量の低減が課題とされていた自動販売機。ここ数年の各メーカーの努力により、省エネ・エコに対する意識革命は着実に進んでいる。