三菱電機 <6503>は7日、スペインの鉄道車両メーカーであるCAF社から、メキシコ地下鉄12号線向け鉄道車両用電機品を総額約27億円で受注したと発表した。
メキシコシティー市公共交通局が運営するメキシコ地下鉄は、中南米で最大の地下鉄網で、約3300両の車両を所有している。現在、さらなる鉄道輸送効率の向上と慢性的な道路渋滞の緩和を目指して、既設の4路線と交差しながらメキシコ市南部を東西に横断する、新路線12号線の整備を進めているという。
今回、CAF社が12号線向け新造車両210両を製造することになり、三菱電機はCAF社から電子制御で運行速度を調整する車両用電機品を受注した。採用された電機品は使用エネルギーを削減可能な回生ブレーキ機能も含んでおり、環境にも配慮した構成となっているという。2011年から2012年にかけて順次出荷していく予定で、今回の受注により、メキシコ地下鉄における同社の車両用電機品のシェアは約70%になる。
今年に入って、伊藤忠商事 <8001>が中国最大規模の鉄道車両メーカーである中国南車股?有限公司と共同で、中国の広州地下鉄よりリニア地下鉄196両の追加受注を獲得したり、8月には近畿車輛 <7122> 、三菱商事 <8058>、東芝 <6502>の3社が、エジプト・アラブ共和国運輸省トンネル公団より、カイロ地下鉄向け車両供給の受注に至ったりと、日本の鉄道インフラ技術に対して、その技術力の高さや安全性などが海外でも高く評価されてきているようだ。
急速な成長を遂げている新興国においては、さらなる交通インフラの整備が急務となっている状況の中、日本のメーカーや商社は今までの実績を武器に、さらなる受注獲得に向けて積極的なアプローチを図っていくことが予想される。