千葉大学と鹿島、独立行政法人医薬基盤研究所が共同して薬用植物「甘草(カンゾウ)」の水耕栽培に成功した。今月24日から26日に幕張メッセで開催される「アグロ・イノベーション2010」に鹿島から水耕栽培で育てられた甘草の実物が出展、展示される。
商業レベルの大量生産にも対応できる効率的なシステムであるだけに製薬業界から注目されている。
鹿島によると「甘草はグリチルリチンを主な有効成分として根部(根およびストロン)に蓄積する薬用植物で、一般用漢方製剤において処方の70%以上に使われる漢方薬原料の一つで、味噌や醤油に甘みを付ける食品添加物や化粧品の原料などにも広く使われているが、国内使用量の100%を海外からの輸入に依存している」状況という。
今回の成功で「植物工場で残留農薬の危険のない均質な甘草を短期間、かつ安定的に生産できる栽培システムができた」としている。
栽培システムの特長について、同社は試験的に圃場で栽培した甘草では、通常、収穫までに4年程度かかっていたものを、水耕栽培を行うことにより、2年半から3年短縮し、約1年から1年半にすることが出来るなどのメリットをあげている。
(編集担当:福角やすえ)