富士通、特別支援を必要とする子どもたちに向け支援携帯アプリを公開

2010年11月02日 11:00

 富士通<6702>は、発達障がい(学習障がい、自閉症など)や知的障がいのある、特別な支援を必要とする子どもたちと、その指導者や保護者などを対象にした生活・学習をサポートする特別支援携帯アプリの無償での公開を29日より開始した。

 発達障がいや知的障がいなど特別な支援を必要とする子どもたちは、全国の通常学級で約60万人、特別支援学校・学級を含めると約70万人近くになるとされている。また、2005年には「発達障害者支援法」が施行され、発達障がいや知的障がいなど特別な支援を必要とする子どもたちへの支援のニーズは年々高まってきているようだ。

 同社では、誰もが参加できるICT社会を目指してユニバーサルデザインに取り組んでおり、身近なICT機器である携帯電話を活用することで、特別な支援を必要とする子どもたちの生活の質を高めることを目的として、同アプリを開発。ICTを活用した教育と支援を実践している香川大学教育学部(坂井研究室)と共同で、香川大学教育学部附属特別支援学校や特別支援教室「すばる」に通う子どもたちを対象として、教師や保護者に3つのアプリを搭載した携帯電話を貸出し、2010年5月から9月まで実証実験を行い、有効性を検証してきた。

 今回無償で公開されるのは、時間の理解、コミュニケーションや見通し、書字などにおいて特別な支援を必要とする子供たち向け開発された、「タイマー」「絵カード」「筆順」の3つのアプリ。時間、伝えたいことやスケジュール、漢字の筆順を視覚化して表示し、障がいの特性に配慮したカラーフィルターやバイブレーションなどを利用して、子どもたちの理解をサポートしていく。
(編集担当:北尾準)