毎年この時期になると、Apple関連の噂が話題にのぼりはじめる。その原因は、毎年6月にカリフォルニアにおいてApple主催のデベロッパー向けイベント「WWDC」が開催されるからだ。
これまでも、多くの重要な発表が「WWDC」の中で行なわれてきた。それだけに毎年、この時期になると、メディアやAppleファンの期待が否応なしに高まってしまう。そして今年はすでに、新しいiPhoneについての噂が流れ始めている。iPhoneが誕生してから6周年。iPhoneの誕生日である6月29日に、iPhone5Sが発表されるのではないかといわれているのである。
まず、米紙「Wall Street Journal」によると、Appleは新iPhoneの製造を開始しており、夏ごろの発売を計画していることを製造関係者の話として伝えている。また、台湾の「経済日報」によると、Appleは新しいプロセッサとなる「A7」を世界最大の半導体専業ICファンドリーメーカーである台湾のTSMCに発注したようだと報道している。
Appleのプロセッサの製造は、これまでは全て韓国企業のサムスンが請け負っていたが、今年の6月で契約が終了する。これに伴い、TSMCに変更される模様で、次世代プロセッサであるA7も当然、TSMCで製造されることになるというのだ。しかも、このA7は、1.3GhzのデュアルコアだったA6プロセッサの後継や焼き直しではなく、シェアを伸ばしているAndoroidに対抗するために、クアッドコアを採用するだろうと推測されている。
しかし、使用するプロセッサが強力になればなるほど、バッテリーの寿命に大きく影響する可能性が高くなる。ましてやiPhoneでは電池寿命の問題が取り沙汰されることが多いが、この問題についてはどうだろうか。それに関してはさすがにApple側も考慮していると思われ、今度のチップセットは、より効率よく電力を使えるように設計されているとみられる上、液晶画面をシャープの「IGZO」パネルによるRetina+ディスプレイを採用することで、低消費電力を図り、電池を長持ちさせる方向性のようだ。
他には、iPhone5SがこれまでのiPhoneと大きく異る点としては、ホームボタンがなくなるかもしれないと言われている。これからのiPhoneからは、ホームボタンが撤去され、全画面液晶となる見通しだ。スリープ画面などもタッチセンサー化され、全てのコントロールがジェスチャーで操作できるものになるのではないかと予想されている。
いずれにせよ、未だ憶測の域を出ないが、今回のiPhone5S、そしてその次のiPhone6まで、実はスティーブ・ジョブズ氏が生前に関与して、存命中の2011年にはすでに開発済みだという噂もある。ファンならずとも、久々にアップル製品に対するワクワクとした期待感が膨らんでいるようだ。(編集担当:樋口隆)