Windows8の不振、Vistaの悪夢再び

2013年03月16日 18:03

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2012年10月、華々しくデビューを飾ったマイクロソフトの最新OS「Windows8」だが、パソコンの新たな需要を生み出す程の結果は出せていないようだ。

 2012年10月、華々しくデビューを飾ったマイクロソフトの最新OS「Windows8」。タッチパネル方式を採用し、ノートPC感覚とタブレット感覚を同時に楽しめる画期的なアイデアが注目されたが、新たなパソコン需要に結び付くまでには現段階では至っていないようだ。電子情報技術産業協会(JEITA)の発表をみても、Windows8発売直後の昨年11月のパソコン出荷台数は71万7000台と前年同月比8.8%減まで落ち込むなど、マイクロソフトやウィンドウズPCを販売するメーカーなどの思惑に反して、市場の反応は冷ややかとなっている。

 そんなスタートダッシュでつまずいたWindows8だが、その原因としては、スマホやタブレット端末の爆発的な普及により、タッチパネルが供給不足になってしまったことで、Windows8搭載タッチパネル式PCの出荷が落ち込んだということが指摘されている。しかし、そもそもタッチパネル式PC自体に需要があるのかと疑問視する声も多く出ているのも確かだ。マイクロソフト社としては、仕事でノートPCをハードに利用するビジネスユーザー層と、タッチパネルでより直感的な操作を求めるライトユーザー層を同時に取り込む戦略だったと考えられるが、タブレット端末が低価格化し、所有者が増えてきた今、ノートPCとタブレットを状況に応じて使い分けているユーザーが多く、この二つの端末が融合することを求めるニーズがそれほど高くないということではないだろうか。実際に、ライフメディアが行ったタブレット端末を使っている人を対象に利用状況などを調査したアンケート結果によると、タブレット所有者の半数以上にあたる51%が「ノートPCは必要」と回答しており、タブレット端末とノートPCの利用目的が異なっているというユーザー認識が伺える。

 ハードウェアとOSをセットで販売するアップル社のMacと違い、マイクロソフトのウィンドウズはOSのみを販売する方式で、シェアを伸ばし、今やPC用OSの世界基準となっている。2000年に発売された「WindowsXP」が爆発的にヒットしたが、そのXPの後継として2007年に発売された「WindowsVista」が成長し続けてきたウィンドウズの勢いを失速させてしまった。「Windows8」の発売は、マイクロソフトの名誉回復と同時に、XPからOSのアップグレードを見送っていたユーザーを最新版OSへと促し、さらにはMacPCやタブレットに流れたユーザーをも取り戻す目的があったと思われるが、発売から半年を経た状況だけを見ると、マイクロソフトサイドは、あの「VISTAの悪夢」が再び脳裏をよぎっているのではないだろうか。

 ここ最近は「iPhone」や「iPad」などで長年のライバルでもあるアップル社に世界中の注目を奪われていたが、そのアップル社が作った流れをマイクロソフトとしても受け入れるしかなく、純正のタブレット端末「Surface」シリーズを発売するなど、ようやくタブレットやスマホなどの戦略に力を入れ始めている。しかし、マイクロソフトの「ウィンドウズ」と言えば、世界中にある9割以上のPCに搭載されているOSで、まさしくPC界の王者であることは変わりない。そんな圧倒的な存在だからこそ、ユーザーからの期待値も高く、その要求や批判の声も大きくなるのは止むを得ないことのようだ。(編集担当:北尾準)