日本経済団体連合会は23年度税制改正に対する提言で、消費税について「国民の安心を確保し、持続可能な社会保障制度を実現する上で、現役世代の重い保険料負担を抑え、広く国民全体で制度を支える安定財源として、最もふさわしい税である」とし、「景気動向に注視しつつ、速やかかつ段階的に、少なくとも10%まで早期に引上げるべき」としている。
経団連は「安心で持続可能なセーフティネットを確立するためには、国民の合意を得つつ、2020年代半ばまでに、消費税率を欧州諸国なみの10%台後半、ないし、それ以上へ引上げていかざるをえないと考えられる」との考えを示した。
また、低所得者に負担が大きくなる逆進性問題への対策として「社会保障・税共通の番号制度の導入による正確な所得把握を前提に、低中所得者層に対し、生活必需品に係る消費税率引上げ相当額を定額で交付する制度を導入すべき」と是正措置を提案。
「複数税率については、事務負担の増大を招き、また、高額所得者にも軽減効果が及ぶことから、慎重な検討が必要である」とした。
(編集担当:福角忠夫)