ヤマハ発動機<7272>が今年の7月に発表した次世代型の電動バイク「EC-03」の全国販売が、いよいよ10月よりスタートする。電気自動車の普及元年と呼ばれる今年、電動バイクもついに普及に向けて本格的の動き出すことになりそうだ。
同社が掲げる成長戦略において重要な位置を占める「スマートパワー(環境性能に優れた次世代動力源)」。そして、その中のひとつとして位置づけられているのが電動バイクであり、この「EC-03」はその牽引役として期待され、まずは首都圏市場に9月1日に投入された。
ガソリンエンジンのスクーターよりは若干高めの価格設定ではあるものの、充電1回分(6時間)の電気料金約18円で43km(30km/h定地)の走行が可能となれば、結果的に利用者にとっては経済的になると考えられる。さらに、充電も100Vの家庭用電源(アース仕様)で簡単に行うことができ、住居用のエレベータにも乗せられる大きさを実現するという細やかな配慮もされていることから、今回の全国販売を期に、国内での環境に配慮したエコ車両の普及促進に大きく貢献することも十分に期待できる。
中国製や異業種からの参入が相次ぐ電動バイク市場であるが、バイクメーカーの本格的な参入で需要拡大の準備が整った。同じバイクメーカーのホンダもビジネスユースで、この市場への再参入を今年の12月に予定している。
好調な購入宣言キャンペーン応募や各地の試乗会、自治体との取り組みも着々と進めているヤマハが、タウンユースモデルで電動バイクの市場を一歩リードした感があるが、本格的な普及に繋がるのかどうか、さらには、ライバルの参入や動向が気になるところだ。
(編集担当:加藤隆文)