土地の価格は不動産市況停滞の影響から引き続き下落を示す地点が多いものの、下げ幅は前回(平成21年7月1日現在)の約3%から8%に比べ、今回は3%から5%に縮小していることが全国の都道府県「地価調査」で分かった。
国土交通省が21日発表した。それによると、上昇地点や横ばい地点も前回に比べ増加していた。また、「地方圏でも半年毎の地価変動率では今年前期になって下落率が縮小の動きをみせている」としている。
これは、都道府県知事が毎年7月1日時点での調査地点の正常価格を不動産鑑定士の鑑定評価を求めた上で判定している。今回の調査地点数は宅地2万2129地点、林地572地点の合計2万2701地点での結果をまとめたもの。
それによると、下落地点は98.5%と前回に比べ0.3ポイント減少。逆に上昇地点が3地点から、今回27地点に増えた。横ばいも1.1%から1.4%に0.3ポイント増加した。
特に、三大都市圏では住宅地、商業地とも下落率が半減していた。理由について、国土交通省では「前回は世界的金融危機後で土地需要が大幅に減少した時点の調査だったが、今回は景気が厳しい状況ながら持ち直しを見せている時点での調査であること、住宅地においては都市部で利便性、選好性が高く潜在的に需要の大きい地域で、マンションや戸建住宅地の値頃感の高まりや税制等の住宅関連施策の効果等から住宅地需要が回復した地域が現れたこと、商業地においては大都市の一部地域において金融環境の改善もあって収益用不動産の取得の動きが見られること等が挙げられる」と分析している。
(編集担当:福角忠夫)