政府は新成長戦略実現にむけた3段構えの経済対策を10日、閣議決定した。仙谷由人官房長官は「デフレ脱却と地域の自律的回復に向けた道筋を確かなものにする」としている。
また、急速な円高の進行や長期化は経済・金融の安定への悪影響から見過ごせない問題として「必要な時には為替介入を含め断固たる措置をとる」ことを明記したほか、日銀に対して「政府と緊密な連携を図りつつ、デフレ脱却へ、さらに必要な政策対応をとることを期待する」とした。
今回決定した経済対策の特徴は時間軸を考慮した3段階に分けての対応をしていること。まず、円高・デフレ状況に対応する緊急的措置として、経済危機対応・地域活性化予備費(9182億円)の活用を図るなどをあげている。
ステップ2では、今後の景気や雇用動向を踏まえた機動的・弾力的な対応を行うとし、1兆円の国庫債務負担行為の活用を含め、補正予算の編成など機動的に対応する。
ステップ3では来年度予算において「元気な日本復活特別枠」の活用などを図り、需要と雇用の創出効果の高い施策に重点配分を行い、新成長戦略の本格実施に入る、としている。
また、雇用促進のため、雇用増加に応じ、企業の税負担を軽減する措置を講ずるなどの企業減税を来年度予算編成・税制改正作業の中で検討するとして、税制調査会に雇用促進税制等の検討を行うプロジェクトチームを設置し、早急に議論を始める。
さらに、雇用対策として、卒業後3年以内の既卒者も対象とする新卒求人を提出し、既卒者を正規雇用した事業主にハローワークで奨励金を支給する制度創設や全ての都道府県労働局にハローワーク、地方公共団体、労働界、産業界、学校関係者らで構成する「新卒者就職応援本部」を設置し、地域の実情を踏まえた効果的な就職支援を行うとしている。
(編集担当:福角忠夫)