アジア太平洋地域での新たな発展戦略としての観光などをテーマに、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、アメリカ、ロシア、中国、シンガポールなど世界21の国、地域の観光担当大臣が集う「2010APEC観光大臣会合」が9月22日、23日の2日間、奈良県奈良市内の県新公会堂で開催される。日本での開催は初めて。会合の成果は「奈良宣言」(仮称)としてとりまとめ、実効をめざす。
また、大臣会合に先立ち、9月19日、20日の2日間は21の国、地域の観光担当実務者らによる観光WG会合が予定されており、翌21日には開催地・奈良の県知事主催による歓迎レセプションが、22日には国土交通大臣主催の歓迎レセプションが催される。
APEC観光大臣会合はAPEC域内の観光交流促進等の政策課題について、大臣レベルで議論し、地域全体で観光振興を図っていこうというもので、第1回会合は2000年7月に韓国・ソウルで開催され、経済、社会、環境など多方面から多角的な視点で観光についての議論が展開された。
その後、2年毎に開催されており、メキシコ、チリ、ベトナム、ペルーに続き、今回、日本での開催となった。
開催が実現した地元・奈良県では今回の経験が国際級の会議誘致に生かされるとともに、来県される人たちが各国の観光分野の代表で、観光や関連事業に精通している人たちだけに、帰国後、奈良の良さを口コミで広げていただけるようにと、万全の態勢で迎える最終準備に追われている。
人見達哉奈良県APEC開催推進室主査は「今回の国際会議を契機に、奈良として、良かった点、悪かった点を整理し、良い点は磨き、悪い点は改善し、(G8クラスの会議も)奈良で開催してもいいのでは、と思っていただけるようにしたい」と話している。
(編集担当:福角忠夫)