負債総額1000万円以上の企業倒産は、8月は964件となり、12ヶ月連続して前年同月を下回ったことが帝国データバンクのまとめで分かった。ただ、販売不振による倒産が790件と全体の82%を占めるなど、不況型倒産が86.2%にのぼるなど、不況にさらされる企業の厳しさが浮き彫りになっている。帝国データバンクが8日、発表した。
それによると、負債総額は1692億3300万円と帝国データバンクが集計基準を変更した2005年4月以降初めて2000億円を割った。
倒産件数は前月に比べ46件(5%)増えたものの、前年同月比で78件(7.5%)減少。負債額も前月より801億2400万円(32.1%)減少し、前年同月比でも1061億1100万円(38.5%)減少した。
しかし、こうした結果に対し、帝国データバンクでは「倒産件数は小康状態が続いているが、反転の兆しも出てきた。多くの中小企業は円滑化法や緊急保証の活用で資金繰り破たんを回避してきたものの、一向に業績回復のメドが立たず、日に日に体力を消耗している」とし、「販売不振や業界不振を原因とする不況型倒産の構成比が8月は86.2%に達し、集計基準変更後で最高となったのは、こうした厳しい現状の表れだ。これまで先送りしてきた借入金元本返済の負担がさらに重くのしかかり、体力が限界に達した企業の倒産が相次ぐおそれもある」と警鐘を鳴らしている。
(編集担当:福角忠夫)