ダイドー、ブレンドコーヒーの継続と進化

2010年08月25日 11:00

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35周年を迎え、パッケージをリニューアルした「ダイドーブレンドコーヒー」と、新たに登場する「ダイドーブレンドスペシャル〔微糖〕」は9月13日より全国の自動販売機等で発売される。

 昨今の缶コーヒー市場は、微糖・無糖タイプが拡大するなど消費者の嗜好が多様化。また、味にこだわった本格志向のコーヒーに需要が集まり、堅調に推移している。そのなかで、35年間”変わらないおいしさ”を守り続けているのが「ダイドーブレンドコーヒー」。大阪に本社を置く清涼飲料メーカーであるダイドードリンコ<2590>の缶コーヒーで、味もパッケージも35年前とほとんど変わらず販売され続けている。

 もともとコーヒーは、嗜好品であることから、一度その味に慣れると、長きに渡り愛飲される傾向にある。しかし、ロングセラー商品は数多くあるが、何らかのリニューアルはされており、35年間、ほぼ何も変わっていないというのは珍しいだろう。

 同社は35年前、現在は子会社となっている大同薬品工業の清涼飲料部門を引き継いでスタートした企業で、当時はドライブイン、現在のサービスエリアなどを中心に健康ドリンクの自動販売機の設置をお願いするという、置き薬の営業で培ったノウハウを活かして展開。缶コーヒーの自動販売機での取り扱いは、ドライバーにユーザーが多かったことから「眠気覚ましにいいのでは?」ということから発案されたという。作るからにはコーヒー本来の、本物のおいしさを届けたいと考え発売された「ダイドーブレンドコーヒー」。素材にこだわり中南米を中心としたコーヒー豆を丁寧に焙煎し、独自の割合でブレンド。そこから丹念に抽出されたコーヒーに、ミルクと甘さをバランス良く加え、独特のコクと浅煎り豆ならではの香りといった複雑で豊かな味わいを引き出していった。

 同社は自動販売機による売上比率が9割にも達する企業で、商品別ではコーヒーが半分以上を占めている。そのなかで現在も「ダイドーブレンドコーヒー」はトップクラスの売り上げを維持、自動販売機というハードの普及とともに伸びていった同社の歴史とともに主力商品であり続けている。今回発売以来続くコーヒー麻袋”ドンゴロス”をモチーフとしたデザインをさらに写実調に表現し上質感をアップ。さらに”since1975”の文字を焼印風に印字。35年間ほとんど変わらなかったパッケージデザインをリニューアルした。これは35周年を迎えてもなお変わらずに愛され続けている同商品への敬意と、これからも変わらず守り続けていくという決意の表れとも感じとれる。

 とはいえ、消費者の嗜好は多様化していくなかでさらなる味の個性も求められているとダイドードリンコ企画開発部で商品開発を担当する篠崎氏は言う。「ダイドーブレンドコーヒーを愛飲して下さる方は中高年層の男性が多く、毎日飲んでくださるロイヤルユーザーもいると聞きます。そんな方々は大事にしたいし、会社にとっても看板商品ですからね。でも、次世代へ向けた新たな商品展開も考えていかなければならない」。そこで今回、缶コーヒー市場で人気を得ている微糖タイプを「ダイドーブレンドスペシャル〔微糖〕」として新発売。「ダイドーブレンドコーヒー」のブランド資産を生かし、コーヒー本来の甘く華やかな香り、シャープな苦み、しっかりとしたコクのある味わいの微糖タイプで勝負をかける。

 同社は今後も、変わらない美味しさと、新たな商品開発に力を注ぎ、自動販売機というハードツールを使った販売戦略をさらに拡販し強化。「本物のおいしさを手軽に届ける」という企業理念を元に継続と進化を備えた展開を模索していく。