三菱商事、近畿車輛、東芝の三社がカイロ地下鉄向け車両を受注

2010年08月20日 11:00

 三菱商事 <8058>をはじめ、近畿車輛 <7122>、東芝 <6502> の3社は、エジプト・アラブ共和国 運輸省 トンネル公団(以下「NAT」))より、合計88両(11編成)のカイロ地下鉄向け車両供給契約を受注。17日にはカイロにて、同国首相アフマド・ナズィーフ閣下を初めとする関係者が列席の下、契約調印式が行なわた。

 人口増加による交通渋滞が深刻化している同国の首都カイロでは、大量輸送できるインフラの整備が急務となっている。現在、既に運行されているカイロ地下鉄1、2号線は、一日250万人という世界でも有数の輸送人員となっており、急増する輸送需要に対応するためにも、さらなる大幅な車両の増備が不可欠となっていた。

 今回3社が受注したのは、現在、NATが建設を進めているカイロ地下鉄3号線第二期(フェーズ2)延伸に伴う追加車両7編成(56両)と、既に運行中の同2号線向け増備車両4編成(32両)の合計11編成(88両)。2007年11月に受注した同3号線第一期(フェーズ1)向けの車両7編成(56両)に次ぐ連続での大型受注となった。

 受注のスキームは、三菱商事が全体の取りまとめを行い、近畿車輛は車体および台車、東芝は車両向け電気品の製造を担当。また今後、3号線第二期向けの車両は同国鉄道車両メーカーによる車体現地組み立ても実施する予定だ。

 三菱商事、近畿車輛、東芝の3社は、エジプト国において過去40年以上に亘り1400両以上の鉄道車両を納入した実績がある。今回の受注も、これまで納入した車両の信頼性と技術が高く評価されたことによるところが大きい。カイロでは今後も他路線の建設が計画されており、3社によって納入される車両が、市民の足となり、交通渋滞の解消のみならず、同国経済の発展、さらには低炭素社会の実現にも貢献するものになると大きな期待が寄せられている。
(編集担当:北尾準)