小学5年、中学と高校では1年で「いじめ」多い

2010年08月16日 11:00

 東京都が公立の小中高と特別支援学校を対象に行った「児童・生徒の問題行動などの実態調査」で、昨年度中に発見した「いじめの認知件数」は3521件となり、前年度より167件増加。特に、小学校では5年生、中学校と高校では1年生でいじめの多いことが分かった。

 都によると、1314小学校うち593校で1678件。中学校では631校のうち422校で1798件、高校(課程数で計算)では251課程のうち28課程で35件のいじめが認知できた、特別支援学校では60校のうち5校で10件が認知できた、としている。

 これは、前年度に比べ、小学校が前年度(1508件)よりか170件の大幅増加。中学校も前年度(1772件)から26件増と微増した。一方で、高校は今回20件の減、特別支援学校も9件減少していた。

 次に、いじめ発見のケースでは、36.6%は学校教職員らによる発見だったが、残りの63.4%は本人や保護者らからの訴えにより確認できたものだった。

 いじめの内容は、冷やかしやからかいなど言葉によるものが2455件(69.7%)と大半を占めたが、集団による無視、仲間はずれ(802件、22.8%)といったものや金品をたかられた(70件、2%)、叩かれた、殴られた(278件、7.9%)など、悪質なものも依然として発生している。

 都や学校側では24時間電話相談を実施する、いじめ防止フォーラム(中学校生徒会長サミット)を開き、いじめをなくす啓蒙活動を展開する、都指導主事の区市町村教育委員会への訪問、学校への専門家の派遣、学校での個人面談やアンケートの実施による状況把握など、いじめの防止と発見、解決への取り組みが行われていた。
(編集担当:福角忠夫)