山田養蜂場、植樹活動で中国の砂漠化をストップ

2010年08月02日 11:00

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今年で最後となった内モンゴルでの植樹。植樹の重要性、環境問題の深刻さが学生をはじめとした現地住民に浸透した活動となった。

 山田養蜂場では、砂漠化が進む中国内モンゴル自治区に緑を蘇らせるため、6月30日に植樹ボランティア28名と現地住民らを含む約260名の参加のもと、5万本の植樹を行った。また、開会式では、林西県人民政府よりこれまでの活動が評価され表彰式も行われた。

 同社では、2001年より植物生態学の権威である横浜国立大学名誉教授の宮脇氏と共同で生態学的な現地調査を実施。砂漠化が進む内モンゴルの緑を復活させるため、「ふるさとの木による ふるさとの森づくり」という考えのもと、林西県の潜在植生(元来その土地の木)であるリョウトウナラなどの主木を中心に植樹活動を行ってきた。2004年には呼和浩持(フフホト)市で植樹活動を開始し、翌年からは林西県で定期的に継続。今回の植樹までにのべ133万本の植樹が完了している。また、2年前に同社と内モンゴル政府が共同で育苗場を建設し、経済林として成長の早いポプラなども栽培、販売し得た利益を植樹活動に充てるという持続可能なシステムを構築。それと共に、植樹するための苗木をどんぐりから育て、現地住民だけで緑を増やす活動を実施している。

 今回の植樹活動では、5万本の植樹を行い、日本からの植樹ボランティアと現地住民の友好も深めた。さらに、これまでの活動が林西県人民政府に評価され、表彰されることとなった。また、今回実施当初に設定していた区画の植樹が完了したことと、現地での継続的な取り組み体制が出来上がったことから、今年の活動で支援を終了することが決定。活動以前には低かった地域住民の植樹への意識が高まり、その重要性が浸透したため、支援終了後も現地では継続的に活動が行われていく。同社では数年後に「育樹祭」をするなど、その後の活動を見守っていく考えだ。

 さらに来年からは中国・安徽省での植樹活動を行うと発表。森林伐採や戦争により木が焼失してしまい、岩山のような状態になってしまった地で、これまで同様、植樹を通して現地住民の意識向上を目指す。今後も日本でボランティアを募り、現地住民とともに継続的な植樹活動の基盤を作っていくという。
(編集担当:山下紗季)