ここ数年、日本人の活字離れが嘆かれている。読売新聞が行っている読書週間世論調査によると、1990年代後半以降、本の無読率が50%を前後しており、20代や学生などの若年層に於いては、1985年には無読率が10%だったのが2005年には約40%へと急増している。また、公立小学校の学校図書館の2007年度末における図書標準達成学校(国が定めた蔵書数を上回る学校)数は45.2%と半数を割る結果となった。このまま読書離れが進むと、日本語の乱れや想像する能力の衰退など、さらに問題が深刻化することが懸念される。
これらの問題に対して、岡山県の山田養蜂場は1999年より「みつばち文庫」として、毎年抽選で888校に本の寄贈を続けている。これは、一般の応募者に代わり、母校やゆかりのある小学校、お世話になった小学校へ本を贈る活動で、これまでにのべ37,193校に向けて438,972冊の本を寄贈してきた。自然環境や、食、命、国際理解を描いた11冊の本を1セットとし、全国888校へ贈る予定で、現在応募者を募っている。また、「自然と深く繋がっている養蜂業を営む者として、自然環境の大切さや人と人との繋がり、命の大切さを子供たちに伝えていきたい」と同社広報はコメントしている。
現在では、朝の10分間読書運動やこどもの読書週間などの活動が活発に行われ、幼少期からの読書週間の重要性が再び注目を浴びつつある。また、ライトノベルやインターネット、携帯電話で配信されている携帯小説などの読者層は増えているようだ。とはいえ、日本人の活字離れはまだまだ深刻と言わざるを得ない。今後さらに、子供たちを取り巻く読書環境について考えていく必要性が求められていくのではないだろうか。
(編集担当:山下紗季)