明暗分かれる、特殊ルートにおける物販市場

2013年04月11日 17:53

 量販店やCVS、百貨店や一般小売店などの「店舗型一般小売ルート」と、飲食サービスを目的とした「業務用ルート」。概ねこのどちらかのルートを通じて物販が行われるが、このどちらにも属さないチャネルも存在する。この独自のチャネルとして形成されてきたルートに関し富士経済が調査、その結果を発表した。

 調査対象となったのは、パチンコ店やテーマパークなどのレジャー施設、公営ギャンブル場やサッカー場などのスポーツ施設、駅売店や高速道路のサービスエリアなどの交通機関、宿泊施設、宅配サービスが主となるダイレクトセリング、フィットネスクラブなどのヘルス&ビューティー、結婚式場や病院売店などの生活サポートの7カテゴリーとなっている。

 その結果、レジャー施設では、遊園地やテーマパークでは市場が拡大しているものの、構成比の高いパチンコ店が減少。2013年は2010年比7.7%減の1兆3276億円が見込まれている。またスポーツ施設では、2011年前半に東日本大震災による予定試合の自粛などで市場が縮小。後半は復興試合や自粛ムードの収束により回復傾向にあるものの、公営ギャンブルや野球の慢性的な若者需要の落ち込み、ファンの高齢化による観客減に伴い、市場全体としての縮小は止まらない状況にある。その為、2013年は2010年比2.9%減の935億円になると予測されている。さらに宿泊施設においても、シティホテル、リゾートホテルではオリジナル商品や地域限定商品などにより減少が抑えられているものの、宿泊に必要な商品が物販の大部分であるビジネスホテルは2011年に2桁のマイナスを記録。2013年も同様の傾向が続くとみられ、2010年比6.1%減の4526億円になるとみられている。その他、少子高齢化、経済不況、人口減少、晩婚化、自然災害などの影響を受けやすい生活サポートに関しても、市場規模の縮小がダイレクトに影響し、2013年は2010年比6.0%減の1兆888億円へと縮小。ヘルス&ビューティーに関しても、フィットネスクラブが安定している反面、理・美容院での縮小は続き、2013年は2010年比2.1%減の3697億円が見込まれている。

 一方、好調なのが、全国的に売店からCVSへのリニューアルが進んでいる交通機関である。鉄道では駅ナカ・駅周辺の開発、高速道路ではSA・PAにおけるサービスが充実。「道の駅」も活性化が見られ、空港売店においてもLCCの登場や空港のリニューアル等により、物販市場も拡大傾向にあるという。結果、2013年は2010年比4.9%増の6480億円になると予測されている。また、ミネラルウォーター宅配とオフィス向け通販が牽引するダイレクトセイリングは、特にミネラルウォーター宅配の伸長が著しく、全体として2013年は2010年比5.7%増の1兆3365億円が見込まれている。

 一般的なルートと同様、全体的に縮小傾向にある特殊なルートにおける物販市場。現在好調なルートについても、市場の盛り上がりが一過性のものと見られるものも少なくなく、早晩、縮小に転じるのではないだろうか。(編集担当:井畑学)