日立・三菱電・三菱重工、水力発電システムの新会社設立で合意

2010年07月07日 11:00

 日立製作所 <6501> 、三菱電機<6503> 、三菱重工業<7011> の3社は、水力発電システム事業の強化・拡大を目的に、当該事業の統合に向けて、具体的な検討を開始することで基本合意。今後、合弁による事業会社を設立し、水力発電システムの販売・サービス、エンジニアリング事業、主要機器の開発・設計を統合して一貫体制を構築、積極展開を推進するという。

 現在、水力発電は低炭素社会構築に貢献するクリーンな再生可能エネルギーとして、着実な需要が見込まれている。国内では、大型新設プラントの計画は減少しているが、既存発電設備の更新・予防保全や出力アップに対する需要は底堅く推移する見通しだ。また、海外については、豊富な水資源を活かした大規模な電源開発が進む中国、中南米、インド共和国などで引き続き旺盛な需要が見込まれる一方、欧州メーカーとの競合に加え、中国メーカーの海外進出が進んでおり、厳しい事業環境が継続している。

 このような状況下で3社は、互いの経営資源を結集し、共同で水力発電システム事業に取り組むことが、事業の強化・拡大を進めていくうえで、最も迅速かつ効果的との共通認識に至った。今後、エンジニアリング・開発・設計機能の統合により、水力発電特有の技術・技能の維持・伝承に向けた人的資源を確保するとともに、世界トップクラスの高速・大容量・高落差の揚水発電技術などの競争力を一段と強化。特に、電力の需給変動への対応性に優れ、今後市場ニーズの高まりが期待される可変速揚水発電システムにおいて、世界のリーディングポジションをめざすという。また、製造においては、3社の生産拠点を有機的に連係させるほか、海外拠点も開拓し、最適な生産体制を構築していくという。

 なお、新会社は日立が50%、三菱電と三菱重工の2社が残り50%を出資。2011年10月に営業を開始する予定だ。
(編集担当:宮園奈美)