経済産業省が日本の企業の総合的な公的負担の実態を把握するために、企業アンケートを実施し、企業の公的負担に関する国際比較調査を行った結果、日本企業の高水準な公的負担の実態が浮き彫りになった。同省が7日発表した。
それによると、法人税負担、固定資産税、その他の税負担、社会保険料の事業主負担などを合計した、我が国企業の総合的な公的負担の割合は実態ベースで50.4%と、アメリカに比べ7.6ポイント、イギリスに比べ8.8ポイント高く、オランダ(31%)や南アフリカ(31.8%)などに比べると19%近く高かった。
特に、法人税実負担率(法人税、法人住民税、法人事業税所得割を税引前当期純損益で割る)ではアメリカ(27.8%)に比べ、日本は35.5%と7.7ポイント高くなっていた。経済産業省では「これが、我が国企業の公的負担率を押し上げる最大の要因になっている」としている。法人税引下げ議論に拍車をかけそうだ。
調査は自動車、鉄鋼、電機・電子、情報サービス、商社・卸、小売、石油・ガス等の代表企業3社程度以上、全95社を対象に実施。有効回答した92社のうち、66社は税務調査への対応を負担に感じると答えていた。また、会計基準と法人税法との差異に関する申告調整が負担とした企業も51社あった。
(編集担当:福角忠夫)