日系企業、海外での風力発電事業に積極進出

2013年04月26日 20:21

 多くの要因から、再生可能エネルギーによる発電の重要性が日に日に高まっている。そのような中、国内外問わず、太陽光発電だけでなく、風力発電事業を強化、新しく着手する企業も多い。

 今年1月には、オランダ公営の総合エネルギー事業会社であるEneco社と三菱商事<8058>は、欧州の洋上風力発電事業分野で戦略的提携の実施を発表。また、Enecoがオランダ沖合に建設予定のLuchterduinen(ルフタダウネン)洋上風力発電所の持分の50%を、三菱商事がEnecoより取得し、建設・運転を、両社共同で行うことに合意している。また、両社は現在Enecoが保有・操業中のプリンセス・アマリア洋上風力発電所(在オランダ、12万kW)での協業や、Enecoが業務用の電気自動車を導入する際に三菱商事が側面支援をする事も検討。三菱商事は、Enecoとの戦略的提携により、今回初めて本格的な洋上風力発電事業に進出することになる風力発電事業。

 また、ホンダオートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダは、自らの企業活動で発生する環境負荷の最小化を目指し、ブラジル自動車業界で初めて、風力発電に投資することを発表。これにより、ブラジルにおける再生可能エネルギーの使用を積極的に進めていくという。Honda<7267>がブラジルで進める風力発電拠点は、ブラジル南部のリオ・グランジ・ド・スル州シャングリラ市に位置し、20Ⅰ4年9月の稼働開始を予定。風力タービン9機が設置されるこの拠点での年間発電量はHABの四輪車生産活動に必要な年間電力量に相当する約8万5,000メガワットとなる見込みとなる。さらに工場で必要なすべての電力量を再生可能エネルギーで創出することによるCO2低減効果は年間約2,200トン以上に上る見込み。なお、この風力発電事業への総投資金額は約1億レアル(約46億円)を予定している。この風力発電事業の展開にあたり、Hondaは風力発電事業に特化したホンダエナジー・ド・ブラジル・リミターダを新規に設立。ホンダエナジー・ド・ブラジル・リミターダはHondaのブラジルにおける風力発電事業に関わる全領域の管理と運営をしていくという。

 持続可能性の高さ、また二酸化炭素排出量削減も関連して地球規模で再生可能エネルギーの活用が重要視されている。今後も様々な企業がこの分野に進出し、環境保全活動に積極的に取り組んでいくと考えられる、注目していきたい。(編集担当:宮園奈美)