日立、「裁判員制度に係る手話単語辞書」のソフトウェアを無償で提供

2010年05月28日 11:00

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日立製作所が制作した、裁判員制度で利用される用語の手話アニメーションを収録したソフトウェア「裁判員制度に係る手話単語辞書」。画面上で表示される単語を選択して、[再生]ボタンを押すとCGアニメーションの人物がその言葉の手話を再現する。

 日立製作所 <6501> は、2010年5月26日から2011年3月31日までのおよそ10ヶ月間、同社が制作した裁判員制度で利用される用語の手話アニメーションを収録したソフトウェア「裁判員制度に係る手話単語辞書」の無償ダウンロードサイトをホームページ上に開設する。

 「裁判員制度に係る手話単語辞書」は、厚生労働省による2009年度障害者保健福祉推進事業の一環として同社が制作。社会福祉法人全国手話研修センター 日本手話研究所協力のもと、裁判員制度で使用頻度の高いと想定される520語の手話単語を標準手話として整理し、これをコンピュータグラフィックスのアニメーションとして編集したものだ。表示される単語を選択して、[再生]ボタンを押すとCGアニメーションの人物がその言葉の手話を再現する。アニメーションの人物は、正面・左・上・右と各方向でビューを変えられるため、より正確に手話の動きを学ぶことが可能になる。収録されている手話単語は、「故意」「無罪」「情状酌量」といった裁判での使用が想定されるものを選定。同ソフトウェアはMicrosoft社のオペレーティングシステムが稼働するパソコンにインストールすることで、誰でも簡単に利用することができる。

 同社は1995年に手話アニメーションソフト「Mimehand」(マイムハンド)を業界で初めて製品化。以来、2000年にはコンピュータグラフィックスの質感、操作性、機能を向上させた「MimehandII」(マイムハンドツー)の提供を開始している。また、「MimehandII」の機能を利用して制作した財団法人全日本ろうあ連盟が出版した「日本語-手話辞典」の約8000用例すべての手話表現を網羅した電子版もあわせて提供している。

 今後も同社は、社会背景に沿った手話に関わるシステムを幅広く開発し、提供していきたいとしている。
(編集担当:宮園奈美)