三菱重工、国内初の大形外歯車成形研削盤を開発

2010年05月26日 11:00

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三菱重工業が開発した、直径2mまでの外歯車を仕上げ加工できる国産初の大形外歯車成形研削盤「ZGA2000」。

 三菱重工業 <7011> は、直径2mまでの外歯車を仕上げ加工できる、国産初の大形外歯車成形研削盤「ZGA2000」を他社に先駆け開発、2010年5月27日から販売を開始する。同発表の影響か、5月24日の株価は一時4円高の329円まで買われ、2円高の327円で終値している。

 「ZGA2000」は、最大20トンのワーク重量に耐えられる回転テーブルを、ダイレクトドライブ(DD)モーター方式で駆動。砥石軸と、砥石の成形・目直しを行うドレッシング装置にも、ビルトインモーターによる直接駆動方式を採用し、高能率・高精度を追求できるようにした。加工できる最大モジュールは36。砥石上下ストロークは、ワークに合わせ700mm(標準)、1,400mm、1,800mmから選択できる。

 ソフトには新計測方式による高速・高精度歯車測定機能や、ワークの取付け誤差を測定し加工動作へ反映させる偏芯補正機能、自動歯合わせの情報から全歯の取代を予測し加工パスを最適化する機能などを搭載。非加工時間の短縮と操作性の向上をはかっている。

 近年は、風力発電設備や製鉄機械、建設機械、舶用機械などに搭載する高精度な大型歯車に対する需要が増大。同社では大型歯車の製造向けを中心に、販売を実施し世界トップレベルの高速・高精度加工を実現。稼働時の非加工時間を短縮し、操作性を向上させることで、生産性を高めている。「ZGA2000の価格はオープンで、初年度の販売は2台を目指す」。(広報部)

 歯車機械は直径1mを超える歯車に対応した、高速・高精度でコストパフォーマンスの優れたホブ盤、ギヤシェーパ、歯車研削盤が世界的に求められている。こうしたニーズを受け、先に投入した直径1,200mmまでの歯車に対応したホブ盤「GEA1200」に続き、今回ZGA2000を市場投入することとなった。歯車研削盤ZGAシリーズについては今後、最大ワーク直径1,200mm、1,600mmの機種を順次発表していくとともに、内歯車用の機種も投入していく計画だ。

 同社は今後、ホブ盤「GEA1200」および歯車研削盤「ZGA2000」の市場投入を機に、ギヤシェーパにおいても直径2,000mmまで対応できる機種をラインアップ。大型歯車機械を中心としたアフターサービス、メンテナンス、工具などまでカバーする新たな事業モデルを構築し、グローバル市場での営業活動を一層積極的に展開していく構えだという。
(編集担当:宮園奈美)