晴天の春の京都を、電動アシスト自転車に乗って、お地蔵様を探そうというユニークなワークショップが先日開催された。
このイベントをプロデュースしたのは、雑誌やTV等で話題の仏像ガールこと廣瀬郁実さんと、ヤマハ発動機 <7272> が運営する旅情報サイト「Becle(びーくる)」。ウェブ上にて参加者を募り、当日は全国各地から20~50代までの幅広い世代の人々が京都の電動アシスト自転車レンタル店(楽チャリ)に集まった。
参加者はチームに別れ、京都の町に佇むお地蔵様を探し、それを携帯電話やiPhoneなどで撮影し、見つけた場所を地図にマーキングしていくというのが基本的なルール。出発前には、仏像ガールからのお地蔵様に関するレクチャーを聞いたあと、参加者はそれぞれ電動アシスト自転車に乗って、京都の町へと繰り出した。
実際、回ってみると、街のいたるところでお地蔵様を発見。しかも、驚いたことに、京都の中でも地域によって、お地蔵様の表情が全く違っていて、中には派手に化粧された個性的なお地蔵様を発見するなど、時間が経過するにつれ、参加者全員はお地蔵様探索に夢中になっていった。多いチームは、わずか4時間の間に30箇所以上ものお地蔵様を発見していたようだ。
参加者が撮影し、送信した写真は、探索本部で待機していた仏像ガールとびーくるスタッフがコメントを入れ、探索中の参加者にフィードバック。さらに、その模様はtwitterを通してリアルタイムに多くの人に公開された。
夕方になれば、本部に参加者が戻り、「お地蔵様がこんなにたくさん町におられるなんてビックリ」「色々な表情のお地蔵様に会えて楽しかった」など、それぞれ一日のエピソードを報告し合った。初めてワークションに参加したという地元京都の大学へ通う女子学生は、「電動アシスト自転車に乗ってゆっくり移動することで、いつも見ている京都とは、また違った表情を楽しむことができました」と感想を口にしていた。最初はやや緊張ぎみだった参加者も、最後にはお地蔵様の話で意気投合し、ワークショップは予想以上の盛り上がりを見せ、幕を閉じた。
今回のワークショップの取材を通して感じたのは、電動アシスト自転車の快適性はもちろんのこと、街の隅々まで巡ることで、今まで気づかなかった街の新たな一面を発見できるということ。ヤマハ発動機が、「日本再発見」というコンセプトを掲げ、電動アシスト自転車のPASを通して、新たな観光地の楽しみ方を提唱していることが、今回のワークショップに凝縮されていたように思える。
今後もBecleでは、PASのレンタル拠点主体で運営できるフォーマットをつくり、それぞれの土地の魅力を参加した人自らが発見できるワークショップを企画し、新たな旅のカタチを提案するとともに、地域の活性化にも貢献していきたいとしている。
(編集担当:北尾準)