「1人きりでホッとできる空間、欲しいな」。どれだけ仲の良い夫婦や家族でも、そんな感情を抱くことは多々あるはず。大手ハウスメーカーの積水ハウス が生活者の本音に迫ることを目的に編集・発行しているレポート「データぱる」には、夫婦や家族間の微妙な感情が読み取れる、興味深いデータが数多く掲載されている。
例えば、「疲れて1人になりたいとき、家族の存在をストレスに感じる」と回答した人は40%にものぼる。身近な存在も、ときにはストレスの原因になり、特に疲れているときは家族ですらわずらわしく感じてしまうことも多いようだ。
また、「家族とは空間を共有しながら気配だけを感じたい」という人も47.3%と高い数字が出ている。家族とのつながりは、同じ空間に居ながら、気配を感じる程度が、現在の家族にとっては心地よいということなのだろうか。特に共働き夫婦が多くなった昨今、夫だけでなく妻も家事や近所付き合いだけでなく、仕事場の人間関係などでストレスを抱え、家では誰にも気を遣わない時間が少しでも欲しいと思っているのが実情のようだ。
また、新米夫婦とベテラン夫婦に聞いた円満の秘訣では、「できるだけ会話をする」と答えている人が一番多いものの、「お互い干渉しない」「相手を束縛しない」「適度な距離感を保つ」というような回答も多くなっている(マクロミル「いい夫婦に関する調査」より)。特に、40、50代のベテラン夫婦には距離を置く傾向が顕著に現れており、夫婦の良い関係を保つには、適度な距離感が大切ということなのだろうか。
これらの結果を総合すると、いつも一緒は面倒くさい、でも、ずっと1人は寂しい。つかず離れずの良い関係こそが、良い空間と感じている人が約半数近く居ることがわかる。データを集約した積水ハウスでは、今後もこのように一般生活者の生の声を拾い上げ、今後の家づくりの参考にしていきたいとしている。
(編集担当:宮園奈美)