国民の幸福に直結する最重要課題は「年金」

2010年04月30日 11:00

 幸福度を表す新たな指標の開発に向けた第1歩として、国民の実感している幸福感や満足感の現状を把握するために政府が今年3月に実施した「国民生活選好度調査」の結果が4月27日、公表された。

 政府の政策への期待と満足度では、国民の幸福に直結する最重要課題として「年金」があがり、同時に、現状で最も不満を抱いているのも「年金」であることが浮き彫りになった、としている。

 幸福度調査では、10点評価で、とても幸せを10点、とても不幸を0点として評価してもらっており、幸せ度は男性の平均が6.24、女性が6.69と女性の方が若干幸福度が高かった。7以上での回答は男性が48%に対し、女性は59%だった。ただ、年齢別では70歳以上の人のうち、7点以上をつけた人は44%と、年齢階層があがるにつれて幸せ度は低下するという、老いて幸福感を感じる人が少なくなっていく寂しい日本の現状を窺わせるものになった。

 調査は3月12日から22日の12日間にわたって調査員が調査票を配布し、後に回収する方式で、全国の15歳以上80歳未満の男女4000人を対象に実施。2900人から有効回答を得た。

 その結果、幸福感を判断する際に重視するものとして、上位5点は「健康」(69.7%)、「家族関係」(66.4%)「家計」(65.4%)「自由な時間、充実した余暇」(46.7%)「就業状況」(41.7%)だった。友人関係は38.5%と意外に低い数値になっていた。

 次に、国民全体の幸福感を高めるための政府への期待度では、「公平で安心できる年金制度の構築」が最も高く69.2%、次いで「安心してこどもを産み、育てることのできる社会の実現」(64.9%)、「雇用や居住の安定を確保」(48.1%)することへの期待が大きいことが分かった。
(編集担当:福角忠夫)