神戸製鋼所、アルミ鍛造事業の拠点を中国に設立

2010年04月26日 11:00

 神戸製鋼所 <5406> は、環境規制による軽量化ニーズによって需要が拡大しているサスペンション用アルミ鍛造部品の製造・販売会社を、2010年6月に江蘇省蘇州市に設立。2012年8月の操業開始を目指して新工場の建設に着手する予定だ。

 国内においては大安工場(三重県いなべ市)にて生産されている自動車サスペンション用アルミは、主に高級車に使用され、高いシェアを獲得する同社のオンリーワン製品のひとつである。それを示すように、2005年には北米自動車市場向けの拠点として、Kobe Aluminum Automotive Products,LLC(KAAP、米国ケンタッキー州ボーリンググリーン市)の稼働を開始させるなど、北米で生産を行う各自動車メーカーの需要に対応するための体制も整えてきた。

 一方、現在の経済状況下における日系および欧米系自動車メーカーにとって、中国は重要な生産拠点のひとつであり、実際に中国での自動車生産台数は増加の一途をたどる。そのため、当地での自動車サスペンション用アルミ鍛造部品の需要も高まっていくであろうと予測されているのだ。

 こうした流れの中で発表された今回の生産拠点の設立によって、神戸製鋼所は日・米・中の3極生産体制を確立。今後は、中国における拡販活動を展開しつつ必要に応じて能力増強を実施し、日々増大する各自動車メーカーの需要に対応していく予定だ。
(編集担当:上地智)