KOウォール外壁 耐火構造に不適合と国交省

2010年04月08日 11:00

 国土交通省はKOウォールを用いた外壁が耐火構造の仕様に適合しない、として、7日、この商品を共同開発した鹿島建設や岐阜折版工業などに原因究明を行うとともに再発防止策を国土交通省に報告するよう指示した。

 また、使用した建築物の特定や当該建築物について建築基準法の基準への適合性の確認を行うとともに、不適合のものについて改修等の対策を講じることや販売仕様の性能確認を行うよう指示。 加えて、社内に相談窓口を設置し、適切に対応するよう求めた。

 国土交通省では「防耐火関連の構造方法等に関する認定について、社会資本整備審議会建築分科会基本制度部会にてとりまとめた、市場から調達した材料で試験体を製作し性能確認を行うサンプル調査を引き続き実施する」としている。

 問題のKOウォールについては、昨年12月に同省に対し「KOウォール」を用いた外壁について、耐火構造の仕様に適合しない製品が用いられている可能性があるとの通報があり、同省で調査した結果、耐火構造仕様に適合しないことが分かったという。

 既存の耐火構造の外壁の認定仕様と比べて(1)目地部カバー材が存在しない(2)目地の幅が認定仕様よりも広い(3)外装材の連結用金物が存在しない等が分かったという。

 鹿島建設は「本件については、昨年12月24日に国土交通省に報告を行い、以後、国土交通省および各特定行政庁と協議を重ねた結果、KOウォールを使用した7物件全てにおいて現状に即した補修を行った工法で新たな耐火認定を取得する等により、建築基準法に適合させることとした。現在、当社技術研究所での耐火性能予備実験を行ったうえで、財団法人日本建材試験センターにおいて耐火性能試験を実施しており、すでに試験に合格し、大臣認定申請中の物件もあるが、可及的速やかに全ての物件を適法とすべく、鋭意対応している」とのコメントを発表した。

 また、「KOウォールを設置した建物において火災が発生した場合の防災安全性は内装仕上げ材、防火区画の形成などによる火災の抑制、スプリンクラーなどの消火設備により、総合的に確保されているものと考えている」と説明している。
(編集担当:福角忠夫)