下請取引「適正化」徹底を要請 公取と経産省

2010年03月12日 11:00

 年度末の金融繁忙期を控え、優位な立場を利用して下請業者に不当なしわ寄せをしないよう、経済産業省と公正取引委員会は11日、大臣名と公取委員長連名で、662の関係事業者団体に「下請取引の適正化」の徹底を要請した。

 親事業者は下請事業者に対し、出来るだけ早期に、可能な限り現金での支払いを行うよう協力を求めている。

 これは、立場の弱い下請業者が親事業者に対して改善を申し入れることが困難なことや売上減少や資金繰りに苦しむ下請業者が依然として多く、全国48箇所に設置されている「下請かけこみ寺」への相談をみても、すでに昨年度の実績を上回っていることなどを踏まえ、改めて、下請法の周知徹底を求めたもの。

 下請法では親事業者の義務として、注文書の交付、書類の作成・保存、支払い期日を定める義務、遅延利息の支払い義務のほか、禁止行為では注文物品の受領拒否や支払い代金の遅延、代金の減額、返品、買い叩き、物品購入の強制・役務の利用強制、公取などへ知らせたことによる報復措置、割引困難な手形の交付などを規定している。
(編集担当:福角忠夫)