中小企業の7%が返済猶予を申請済か検討中

2010年03月08日 11:00

 中小企業金融円滑化法(返済猶予法)を活用して約1万社の中小企業のうち、7%が返済猶予を申請、あるいは申請を検討中であることがわかった。中小企業の資金繰りの厳しさを示している。

 これは、帝国データバンクが返済猶予法の昨年末の施行を受け、同法に基づく企業向け融資の条件変更等に関する企業動向について、2月17日から28日にかけて調査したもの。

 その結果、全国の中小企業1万9694社のうち、9674社から回答があり、このうち、237社がすでに返済猶予を申請、442社が申請を検討していることが分かった。申請したり、申請を検討している会社は全回答者の7%にあたる。

 また、返済猶予申請に対する金融機関の対応では、申請した237社中180社にあたる79.5%が「返済の条件変更に応じてもらえた」と回答。「現在審査中」も同20.3%(48社)あった。

 業種でみると「条件変更に応じてもらった」は『製造』(同84.9%、79社)、『サービス』(同80.6%、25社)が高く、申請企業の8割超が条件変更に承諾を得ていた。逆に、『不動産』(同42.9%、3社)、『建設』(同58.6%、17社)は低かった。

 帝国データバンクでは「業界や地域により申請に対する承諾にばらつきが見られる」としている。
(編集担当:福角忠夫)