都会でも鳥や蝶たちを身近に感じられるエコマンション

2010年03月01日 11:00

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大阪市此花区の「グランドメゾン西九条BIO」の敷地中央部にある大きな緑の森"ビオトープ"には、様々な種類の鳥や蝶たちが集まってくるように、多くの在来樹種が植栽されており、都会の真ん中で暮らしながらも身近に自然を感じることができる。

 環境先進国のドイツには、”ビオトープ”という言葉がある。Bio(生き物)とTopos(場所)という言葉からつくられた合成語で、”生き物のすみか”という意味を持つ。一方、日本においても昔からこれとよく似た”里山”という言葉があり、世界中で生物多様性の保全への意識が高まる中、どちらの言葉も最近よく耳にするようになった。特に日本においては、今年10月に名古屋において生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されるということもあり、生物多様性保全に向けた様々な活動が活発化してきている。

 そんな中、大阪市此花区に、14,522平方メートルの広大な敷地面積を誇り、総戸数365戸を有する大型分譲マンション「グランドメゾン西九条BIO」が誕生した。このマンションの最大の特長は、物件名にも使われている通り、敷地の中央部に大きな緑の森”ビオトープ”があることだ。日本の”里山”をお手本に、敷地全体の35%にも相当する空間を緑地として設計し、ヤマモミジやケヤキなどの中高木が約670本、低木に至っては10,000株以上の気候に適した様々な在来樹種が植栽されている。

 この新しいタイプの環境配慮型マンションを販売しているのは、住宅業界初の「エコ・ファースト企業」として環境大臣から認定を受けている積水ハウス <1928> 。同社は、2001年より「3本は鳥のために、2本は蝶のために」というコンセプトのもと、「5本の樹」計画という活動を積極的に行っている。これは、日本の豊かな生態系を育んできた”里山”をお手本に、地域の気候風土に適した在来樹種を中心に植栽する庭づくりの提案。「グランドメゾン西九条BIO」ではこの考え方を開発段階から落とし込むことにより、都市部のマンションにおいて快適で暮らしやすい住環境を創造するとともに、地域の生態系ネットワークの復活に貢献しようというもの。

 また、「グランドメゾン西九条BIO」には、大きな森だけではなく、マンション内の至るところに環境に配慮した工夫が施されている。全365戸に高効率給湯器「エコジョーズ」やお湯が冷めにくい「保温浴槽」、生ごみ処理ディスポーザーなどが標準装備されており、住宅専用部の照明には白熱灯を一切使用せず、全て蛍光灯を採用するなど、快適な暮らしを提案しながらもトップクラスの省エネを実現している。積水ハウスの試算では、同物件で削減できるCO2の量は年間で約165トンに達するという。

 最近では、”エコ”"CO2削減”"省エネ”というキーワードを使って自社商品や取り組みをアピールする企業が増えてきたが、同社のように、本業を通して環境に配慮した取り組みを徹底している企業は、まだそれほど多くないというのが現状だ。日本が環境先進国として世界を牽引していくためには、同社のように、本業を通して環境への取り組みを徹底する企業の存在がさらに増えていくことが望まれる。
(編集担当:北尾準)