内閣府の世論調査で死刑制度について「場合によっては死刑もやむを得ない」とする回答者が全体の85.6%を占め、前回調査(2004年12月調査)に比べ4.2ポイント増えたことが分かった。内閣府が8日発表した。「場合によっては死刑もやむを得ない」との回答は1994年9月調査(73.8%)からみると11.8ポイント増と大幅に増えており、調査毎に増加傾向になっている。
逆に、「どんな場合でも死刑は廃止すべき」と死刑制度の廃止に賛同する人は5.7%で前回調査より0.3ポイント減少。1994年9月調査(13.6%)から比較すると7.9ポイント減少した。
死刑がなくなった場合、凶悪な犯罪が増えるという意見が62.3%を占めていた。
この調査は刑事司法に関する施策等を検討する参考資料にするため、昨年11月26日から12月6日までの間に調査員の個別面接方式で全国の20歳以上の男女3000人を対象に実施したもので、1944人から有効回答を得ている。
それによると、「場合によっては死刑もやむを得ない」と死刑制度を残すことを支持する回答者が、死刑を残す理由としてあげたものの中で最も多かったのは「死刑を廃止すれば被害者やその家族の気持ちがおさまらない」(54.1%)で、前回調査より3.4ポイント増加した。
また「凶悪な犯罪は命をもって償うべき」と応報的に刑罰を捉えた回答が53・2%、「死刑を廃止すれば凶悪な犯罪が増える」と犯罪抑止力から残すべきとする回答が51・5%あった(複数回答)。
逆に「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」と答えた人では、その理由で最も多かったのは「生かしておいて罪の償いをさせた方がよい」(55.9%)。次いで「裁判に誤りがあったとき死刑にしてしまうと取り返しがつかない」(43.2%)、「国家であっても人を殺すことは許されない」(42.3%)というものだった。刑罰を教育刑として捉える「凶悪な犯罪者でも更生の可能性がある」を選んだ人は死刑廃止支持者の中でも18.9%にとどまった。
(編集担当:福角忠夫)