11月10日に東京都目黒区の目黒雅叙園にて、「山田養蜂場 みつばち研究助成基金」成果発表会が行われた。2008年度採用研究35件のうち、優秀賞に選ばれた4名の研究者が研究の成果について受賞講演を行った。
山田養蜂場は、11月10日に東京都目黒区の目黒雅叙園で行われた、初の「山田養蜂場 みつばち研究助成基金」成果発表会にて、2008年度採用研究35件のうち、優秀賞に選ばれた4名の研究者を表彰し、各研究者が研究成果について受賞講演を行った。
今回受賞したのは、中京女子大学健康科学部 早川幸博教授の「スポーツ競技者に対するプロポリスの抗疲労および抗ストレス効果に関する検討‐オーバートレーニング症候群の予防に向けて‐」、東北大学大学院医工学研究科 牛凱軍准教授の「ローヤルゼリーの加齢(高齢)マウスの筋衛星細胞の機能と増殖能への影響」、愛媛大学大学院医学系研究科 山田典子大学院生の「女性の冷え症に対するローヤルゼリー摂取の改善効果」、国立感染症研究所ウイルス第1部 水谷哲也主任研究官の「みつばちの網羅的ウイルス検出システムの構築」の4名。各受賞者は研究成果について講演を行った。さらに、2009年度も引き続き研究を行う名古屋大学大学院生命農学研究科の門脇辰彦准教授は、全国レベルで実施したミツバチのウイルスおよび病原体に関する疫学調査についての中間発表も実施。これらの講演について、みつばち研究助成基金審査委員代表の岩手大学農学部 鈴木幸一教授は「医療分野が確実に進歩を重ねても医療費は増加の一途を辿っています。健康というものを、国民一人ひとりの生活の使命として捉える必要があると思います。そこで、みつばち研究助成基金のひとつの重要な意義として、ミツバチ産品により、予防医学を真摯に追及する学術研究に対して1年間の成果を述べました。また、若手研究者の育成という視点も加味し評価しました。一方、今年ほどミツバチ不足が話題になった年は経験したことがありません。私たちの生活にいかにミツバチという生物が経済的に貢献しているか、今回のミツバチ不足で初めて理解したことになります。そこで、この難しい問題に果敢に挑戦して、一定の成果を上げている研究分野も考慮しました。」と総評した。
「山田養蜂場 みつばち研究助成基金」は、同社が創業60周年を機に、ミツバチ研究と予防医学研究のさらなる発展と、若手研究者の研究支援を目的に2008年に設立。第1回は、全35件・総額1億円が研究対象に選ばれた。そして2009年度は、新たに”化粧品・皮膚科学研究”のカテゴリーを設けるとともに、近年問題視されているミツバチ失踪と減少に関わる特別研究への助成も行い、ミツバチの新しい可能性の追求とミツバチの生活環境の調査に努めている。
同社代表取締役の山田英生は「第1回目となる『2008年度 山田養蜂場 みつばち研究助成基金』では、創造的な35の助成研究テーマが実施されました。私どもは、得られた研究成果を皆様と共有していくことが、今後の研究の発展に大変重要なことだと考えております。」と述べ、さらなるミツバチ研究への取り組みの姿勢を明らかにした。
(編集担当:山下紗季)