経団連など6団体 診療報酬改定に厚労相に要請

2009年11月09日 11:00

 2010年度の診療報酬改定について、健康保険組合連合会はじめ国民健康保険中央会、日本経済団体連合会、日本労働組合総連合会など6団体が、長妻昭厚生労働大臣に「診療報酬の改定率、改定の基本方針の策定に際して、医療費を負担する国民、保険者や関係団体等の意見・考え方を表明できる機会を設けたうえで、意見や実情を是非反映してほしい」と7日までに要請した。

 「現下の厳しい経済・社会、雇用情勢等を十分に考慮、反映していただきたい」としている。要請したのは、前記4団体のほか、全国健康保険協会、全日本海員組合。

 6団体は要請のなかで、「景気や雇用情勢の悪化により、失業率は過去最悪の水準で推移し、賃金、物価も低下するなど、非常に厳しい状況にある」とし、医療保険財政をみても、例えば「国民健康保険においては、高齢者や低所得者の増加、昨今の経済状況を背景として失業者の流入等多くの課題を抱えており、市町村は、一般会計から国保特別会計への多額の繰り入れを余儀なくされている」と苦しい状況を説明。

 こうしたなかで、診療報酬が引き上げられれば「患者負担や被保険者の保険料負担、医療保険財政等への甚大な影響が懸念される」としている。

 一方で「現下の病院勤務医が置かれている疲弊した状況や産科、小児科、救急医療をはじめ、医療提供体制の地域格差の拡大など、医療現場の厳しい実態に鑑みると、必要度の高い医療に対しては大胆かつ重点的な評価を行い、限られた財源を効率的かつ効果的に配分するように」と見直しを求めている。
(編集担当:福角忠夫)