LCCより安い? ウルトラ弾丸ツアー

2013年05月19日 16:34

 2012年3月1日に、日本初の本格的LCC、ピーチが就航。次いで、7月3日にはジェットスター・ジャパンが、翌8月1日にはエアアジア・ジャパンが就航し、昨年はLCCの話題で持ちきりとなった。

 成田国際空港が14日に発表した平成25年3月期連結決算によると、売上高は前期比9.0パーセント増の1892億円、最終利益は同4.3倍の153億円と、2期ぶりの増収増益の上、過去最高となったが、これはLCCの新規就航の貢献度が大きいとみられる。また、沖縄県観光政策課も今月15日に、4月の観光客数がの51万6300人で、前年度同月比9.6パーセント増と、こちらも過去最高水準となったことを発表しており、旅客輸送実績こそ非公開にしてあるものの、やはりLCCの就航が大きく貢献しているものと思われる。

 今年に入ってもLCC、とくに国産LCCの代表格でもあるピーチ・アビエーションは順調に業績を伸ばしており、4月に東北初となる仙台便を就航、さらに9月13日からは釜山線を就航するなど、着実に路線を拡大している。LCCの盛況は航空業界全体を活気付けるカンフル剤となり、概ね歓迎されてはいるものの、価格面では対抗しくい従来の航空便の中には、LCCにおされて苦戦しているところもあるようだ。

 そんな中、香港のフラッグ・キャリアであり、日本でも馴染みの深いキャセイパシフィック航空が、非常に面白いプランを5月15日から提供し、話題を呼んでいる。
 
 その名も「エコ得スペシャル ウルトラ弾丸」運賃。

 成田、関西、名古屋発着、香港行きの格安運賃で、価格はなんと往復18000円。往復の燃油サーチャージが12000円なので、なんと3万円で香港往復ができてしまうのだ。ただし、利用便と出発日は設定されており、土曜午前発、日曜早朝着、または日曜午前発、月曜早朝着の0泊2日の場合に限って利用できるものとなっている。LCCの就航で、国内外への弾丸航空ツアーの人気が高まっている。現地の滞在時間は短いものの、何より気軽な値段で空の旅ができるのと、週末の時間を利用したプチ旅行のスタイルが受けているようだ。

 LCCはその性質上、格安の運賃や簡易なサービスなど際立った部分ばかりが取りざたされて、従来の航空便と比較されることが多いが、ゆっくりと旅を楽しみたいときは通常の航空便、食べ歩きやショッピング、ビジネスの出張など、他の目的がメインで、バスや電車のような移動手段として使いたいときはLCCというような使い分けをするのが正しい利用の仕方だろう。(編集担当:藤原伊織)