全国の労働基準監督署などに労働者やその家族から長時間労働や賃金不払い残業について寄せられた相談をもとに、同監督署が労働基準法違反として是正、指導したもののうち、1企業で100万円以上の割増賃金が支払われた2008年度の事案(賃金不払残業に係る是正支払の状況)を厚生労働省がまとめ、22日、公表した。
是正企業数は、この1年間で1553企業、金額は196億1351万円と企業数、金額ともに前年度に比べ175企業、76億円減少していたものの、対象となった労働者数は18万730人と1187人増えていた。
1企業あたりの平均は1263万円で、労働者1人あたりでは11万円になっていた。対象になった労働者は運輸交通業が最も多く4万2930人、次いで商業の3万1700人、製造業の2万4948人だった。支払われた是正金額で最も多かったのは商業の45万5613円。次いで金融・広告業の34万7111円。これに保健衛生業の24万360円が続いていた。
厚生労働省では「11月の労働時間適正化キャンペーンの実施などを通して、賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針の周知等に努め、賃金不払残業の解消を図る」としている。
(編集担当:福角やすえ)