政府は20日の月例経済報告で「景気は緩やかに持ち直している」と上方変更した。
菅義偉官房長官は「海外景気の底堅さなどを背景に、輸出に持ち直しの兆しがみられること、個人消費の持ち直し、生産も緩やかに持ち直しているなどがある」とした。また、菅官房長官は「安倍内閣の経済政策効果はマインドの関係だけでなく、消費・生産などの実体経済にも現れ始めていると思っている」とした。
また、菅官房長官は「今年度に入って、緊急経済対策の効果も出てきている」との認識を示した。公共投資の契約高があがっていることがそれを裏付けていた。また、上場企業の収益は改善の動きを示していた。
この日の月例経済報告に関する関係閣僚会議では、景気の先行きについては「輸出環境の改善、経済対策、金融政策の効果などを背景に、マインドの改善にも支えられ、次第に景気回復に向かうことが期待される」とした。
一方で、リスク要因として「海外景気の下振れが景気の下押しをする危険性や雇用・所得環境の先行きにも注意が必要」とした。
上場企業の収益が大きく回復する中で、株主への配当額は2014年3月期には過去最高になるとの見通しも出ているが、株主の所得が豊かになるなかで、多くの個人消費を担う勤労者の所得に企業収益がいつ反映されるのか、その時期や反映額が注視される。(編集担当:森高龍二)