万有製薬が臨床内科医と骨粗しょう症のハイリスク群とされる60歳以上の男女を対象に「骨粗しょう症に関する意識調査」を行った結果、60歳以上の男女の9割以上が骨粗しょう症の主な症状を理解しながらも、未検査の人が6割にのぼることが分かった。
調査は臨床内科医100人と骨粗しょう症のハイリスク対象者400人を対象に今年9月に実施。
骨粗しょう症については「骨がもろくなり、ちょっとしたことで骨折しやすくなる」ことを95.8%が知っており、「骨がスカスカになる」という症状についても93.3%の人が知っていた。
また、「女性ホルモンと関係があるため、閉経後の女性に多い」(64.3%)「背が丸くなる」(56.3%)「初期段階では痛みや自覚症状は少ない」(48.5%)などの知識も比較的知られていることが分かった。
一方、「骨粗しょう症と診断された家族がいる人はなりやすい」(10.5%)「痩せている人はなりやすい」(7.0%)ということを知っている人は少なかった。
骨粗しょう症の検査を受けたことがあるかどうかでは、60%がないと回答。あるは37.5%だった。女性だけでみると、検査を受けた人は55%と過半数いた。ないは43%だった。
検査を受けない理由については、62.5%が「自分は骨粗しょう症だとは思わないから」としており、「どこで受けられるのか、よく分からないから」という回答も21.3%あった。
しかし、実際に、骨粗しょう症になり「病状が進行すると、くしゃみや布団の上げ下ろしなどの日常の動作や転んだ衝撃でも骨折しやすくなる」ことや「特に太ももの付け根を骨折すると歩けなくなり、そのまま寝たきりになることもある」など深刻な事態を招きかねないという怖さを知らされると、検査を受けたことがない、と回答していた人も、14.4%は「是非受けたい」と答え、特に、女性では27.8%が「是非受けたい」と答えた。機会があれば受けたいという回答も全体で70.4%になった。まさに「転ばぬさきの杖」。深刻な事態を招く前に検査をしておくに限る。
(編集担当:福角やすえ)